1万円からの少額不動産投資、とっつきやすい本命はJ−REIT

セールスマン

不動産投資を少額で始めてみたいなら1万円から証券会社を通じて投資できるJ-REIT(ジェイ・リート)が、最も考えやすい対象です。不動産投資とは、どういう投資なのか、どのような値動きをするのか、不動産投資のリスクとは何か、などを学ぶ機会として、J−REITの値動きを見ていれば読めるようになるはずです。

J−REITは証券会社に口座を開いて買います

J—REITは、投資信託の投資対象が株式や債券ではなく、不動産になったものです。アメリカで1960年に始まり、日本はそれをモデルに作ったのです。なのでJ−REITを買うには、証券会社に口座を作り、そこを通じて個別のJ−REIT銘柄を買うか、個別銘柄のいくつかに分散投資しているREITファンドや、市場のREIT指数に連動する上場投資信託であるETF(Exchange-Traded Fund)を買うか、になります。興味があり、資金があれば、海外のREITに分散投資したりすると間接的に世界の不動産に投資することになります。

ですから、証券会社に口座を既に開設している人は、理解が進みやすく、着手も容易なはずです。開設していない人は、まず証券口座を開設してJ—REITを買えるようにすることから始めましょう。

リーマンショックを乗り越えて発展してきた日米のREIT

本家・アメリカでもREITは、初めから順調だったわけではなく1990年半ば以降、REITを運営している会社が上場し、年金基金や生損保など機関投資家がREITの収益性と透明性を評価して自らのポートフォリオに組みこみました。このような経過でアメリカのREIT市場はリーマンショック(2008円)の時をのぞいて右肩上がりです。

日本では、アメリカに遅れること40年、投資信託法の改正によって、従来、株式だけに限られていた投資信託の投資対象に新たに不動産が加わることでJ−REITが誕生しました。2001年には、今も健在の日本ビルファンド投資法人、ジャパンリアルエステイト投資法人の大手不動産会社が関与する2投資法人が上場し、予想以上に好決算だったこともあって市場が拡大していきました。リーマンショックの後、1法人が経営破綻し、J−REIT時価もリーマンショック直前の8兆円から2兆円規模まで急落しましたが、その後、黒田日銀による異次元緩和、日銀によるJ−REIT買い上げなどの後押し政策が功を奏し、2019年の時点では銘柄数は60超、時価総額は15兆円を超え20兆円に近づく規模にまでなっています。

現状ではTOPIXより投資の成績は良いです

株への投資が、その株の値上がり(値下がりもあります)と決算配当が投資のリターンであるように、J−REITは、J−REIT価格の値上がり(値下がりもあります)と決算期の分配金が投資のリターンになります。

株式の配当は、法人税を引いた税引き後利益の中から配当するのですが、J−REITは、不動産賃貸収益から運営経費(運用報酬や金融費用など)を差し引いた税引き前利益を原資にして分配します。収益の90%以上を投資家に分配すれば法人税が免除されるので、高分配収益が制度上可能な仕組みです。実績はTOPIXよりかなり高いリターンになっています。

元本保証はないのでゼロリスクにはなりません

J−REITは、いくつかの不動産に分散投資しますからリスクは少なくなります。しかし、株式と同様に、元本を保証する仕組みではないので、ゼロリスクにはなりません。