不動産投資と他の投資方法の比較:株式投資との比較
老後資金2000万円問題が話題となり、本業だけでなく副業として投資を行うことが注目されてきています。
ゼロ金利政策がとられている我が国において、銀行に定期預金でお金を預けたとしても利息は良くてせいぜい0.3%程度です。
これでは老後資金を貯めるのは困難というもの。
そんななかで注目されているのが不動産投資です。
副業として投資を行う場合、不動産投資以外にも様々な投資方法があります。ここでは、不動産投資と株式投資の比較をしてみましょう
不動産投資のメリットとデメリット
不動産投資は、主にマンションやアパートを購入し「大家」になることです。
大家として物件を人に貸して、家賃収入を得る。また、所持する物件を売却することで収入を得ることを指します。
数ある投資方法のなかでも不動産投資はミドルリスクミドルリターンと言われています。
そんな不動産投資についてメリット、デメリットをそれぞれ説明します。
不動産投資のメリット
安定して収入がある
不動産投資の収入としてメインとなるのは家賃収入です。。
これは、入居者がいる限り毎月ほぼ確実に入ってきます。
そのため、資産管理や運用計画が立てやすいというのが不動産投資の魅力と言えます。
ローンで購入できる
運用する物件を購入する際には、不動産投資ローンを利用することが出来ます。
不動産の価格は数千万単位ではありますが、ローンを利用することによって、大きな元手がなくても始めることが出来ます。
また、ローンを組む際には団信保険に加入することになります。
そのため、所有者が万が一死亡したり、大きな病気を患った際には購入した物件が資産として残るので、「もしもの備え」となることも不動産投資の魅力の一つです。
価格変動がゆっくり
不動産の価格は年単位で動きます。
そのため、所有する物件の価格・資産価値を毎日チェックするという手間がかかりません。
また、物件の価格が下落しても、ゼロになることもあまりないため、資産として手元に残る確実性は、他の投資方法と比べても高いといえます。
物件の維持管理は不動産管理が委託できる
所有する物件の維持管理に関しては、不動産管理会社に委託することが出来ます。
そのため、入居手続きや家賃の徴収、退去後の清掃や修繕といった業務を自分で行う必要はほとんどありません。
インフレ対策
物価が上昇するインフレが起こった時、それに伴い所有する物件の価格も上昇します。
そのため、不動産投資は物価変動に強い投資法といえます。
売却益期待可能
まとまった資金が必要になった際には、所有する物件を売却することで、一度に大きな額の現金を得ることが出来ます。
不動産投資のデメリット
ある程度の元手がひつよう
物件の購入の際にローンを組めるということをメリットで説明しました。
しかし、それでも頭金として1~3割程度の資金が必要となります。
物件の価格は数千万ですので、不動産投資を始めるのには数百万の元手が必要ということになります。
流動性が低い
不動産取引を行う際には、物件の調査や価格交渉、その後契約を行い、ローンの審査を受けて…といった流れで進むため、購入・売却に数か月を要します。
そのため、始めるのもやめるのも、時間的猶予をもって行わなくてはなりません。
短期的利益は期待薄
価格変動がゆっくりなことは、メリットでもありますが、逆に言えば短期的な売却益を得るには不向きといえます。
加えて、昨今の経済の低成長や少子高齢化が進行している影響で不動産価格が大きく上昇することは期待できません。
空室リスク
不動産投資は家賃収入を期待して行うものなので、空室が生じてしまうと、その月の収入はゼロになってしまいます。
空室のリスクを防ぐためには、物件を購入する際に、所在地や近隣の施設等をしっかりとリサーチすることが重要です。
修繕リスク
物件を長期で保有していると、設備の老朽化が起こります。これらの修繕費は所有者の負担となります。
そのため、特に中古の物件を購入する際には、施設や設備の確認や、どの程度で修繕が必要になるかといった見通しを立てて、備えておく必要があります。
災害リスク
地震などの災害により、物件が損傷してしまったり、長期間空室になってしまうリスクがあります。
一度物件が損傷すると修繕に時間や費用がかかり、さらにその期間は空室となるので支出が収入を大きく上回っています可能性もあります。
そのため、事前にハザードパップ等を確認し、保険に加入するなどの備えが必要となります。
株式投資のメリットとデメリット
次に株式投資のメリットとデメリットを説明します。
投資という言葉を聞くとまず株式投資を思い浮かべる人も多いと思います。
そんな投資の代名詞と言える株式投資ですが、不動産投資と比べてハイリスクハイリターンな投資法と言えます。
株式投資のメリット
短期間での収益が期待できる
株価は日々変動しており、銘柄によっては、数か月で大きく値上がりすることもあります。
そういった銘柄を購入することが出来れば、ごく短期間で資金を大きく増やすことができるのが株式投資の最大の魅力といえます。
始めるまでのハードルが低い
株式投資は、始めるのに証券会社の口座を持つことが必要となりますが、現在ほとんどの証券会社でインターネットから申し込み可能です。
口座開設も、申し込みから数日~数週間のうちに完了しますので、思い立ったらすぐに始められるのも魅力です。
また、株式の売買も平日の市場が開いている時間であればいつでも可能なため、買いたいときに買えて、売りたいときに売れるというのが多いな魅力です。
分散投資しやすい
株式市場には、様々な業種の企業が上場しています。
そのため、複数の会社、業種に分散して投資を行うことが出来ます。
もしも、保有している銘柄の一つが値下がりしても、他の銘柄で損益を相殺できる可能性もあります。
また、株式投資では、単元未満株といって、小口での購入も可能です。
ですので、大きな資産がなくても複数の銘柄を保有し、リスクの分散が可能です。
長期保有でインカムゲインも期待
株式投資は、安い時に買って、高くなったら売るのが基本ですが、長期的に保有するメリットもあります。
それは、各企業からの毎年行われる配当や株主優待でし。
企業にもよりますが、配当は平均的に2%、高いところだと5%程度も期待することができて、銀行に預ける数百倍の利率と言えます。
また、株主優待として、割引券や金券、また、その会社の商品をもらえるのも大きな魅力です。
維持費がかからない
不動産投資の場合、物件の管理などの維持費が必要ですが、株式投資では口座の維持費はありませんので、株式の購入金額だけの元手があれば始められます。
株式投資のデメリット
価格変動が大きく短期間で損失を出す可能性
短期間で大きな利益が期待できるというのは、逆に損をするというリスクもあります。
2020年に起こったコロナショックは記憶に新しいと思いますが、短期間で所有する銘柄の価格が大きく下落する恐れがあります。
日々のチェックや知識必要
株価は市場が開いている限り常に変動します。
そのため、保有している銘柄や購入を検討している銘柄の値動きを毎日チェックしなくてはなりません。
また、利益を大きくし、損失を抑えるためには会社四季報を分析する必要があり、知識・勉強が必要となります。
大きく稼ぐにはまとまった元手が必要
株は小口取引が出来、複数の銘柄を購入できるということをメリットで説明しました。
しかし、株の保有数が少ないと、それだけ得られる売買益・配当も小さくなります。
大きな額の収入を期待するには、それなりの元手が必要となってしまいます。
結論
不動産投資、株式投資は以上のようにそれぞれメリット・デメリットが存在します。
「どちらの投資法が絶対に優れている」とは言えず、人それぞれというのが現実ではあります。
しかし、日々本業で働きながら、副業として投資を行い中長期的に資産形成を行い老後2000万円問題に備えるというのであれば、安定的に収益が期待でき、管理なども委託することの出来る不動産投資はぴったりといえるのではないでしょうか。