不動産投資を少額100万円で始める時に必要な知識とは

投資のチャート

もしも今、現金100万円があるなら、あなたはどうしますか?ネット銀行の普通預金なら利子はたった年100円(年0.01%)。最も高利と言われるネット銀行の定期預金でも1年もので2000円(0.200%)の利子しかつかない低金利の時代です。手取りはそこからさらに税を20%引いた金額になります。

もう少し「まとも」なメリットのある投資はないか、と考えるとき対象になるのが不動産投資です。少額での不動産投資は一般的には「1000万円を超えない金額」から、とみなされていますが、考えを整理する上で、一旦100万円で、と置いてそこでノウハウを学び、やがて投資の規模を大きくしていけば良いでしょう。
ここでは、不動産投資を少額で行いたい方向けのアドバイスをご紹介します。

不動産投資は、大きな資金が要るのではないの?と疑問でしょうか

もともと不動産は「人生最大の買い物」と言われてきました。確かに学校を出て会社に勤め、せっせとお金を貯め、そしてやっと一生の住みかをローンで買う、そういうイメージがつきまとっています。ですから少額で不動産投資を始めることができるのか、という疑問、不安は当然です。

でも実際に100万円程度の投資で不動産を運用している、それも「不動産のプロ」ではないアマチュアの人たちが実際にいるのです。

100万円程度くらいで買える不動産の方法は5つ

現実的に具体的に、100万円程度の投資で不動産を運用する方法を挙げると、以下の5つになります。

1、格安の、築年数の相当長い物件を所有し、運用する
2、区分所有するマンション、アパートを運用する
3、ローンを組んで資金を作って大きな物件を所有し、運用する
4、REIT(リート)を購入し、運用する
5、クラウドファンディングで物件を購入して、運用する
の5つです。
それぞれのマーケット規模ははっきりしませんが、5つのいずれを取っても、現物不動産の「目利き」がないと成立しません。ただし、純粋に現物不動産を運用するのは1、2で、うしろの3、4、5はローンやファンドで資金を調達し、現金では買えない、より高額な物件を運用するものです。4は、物件の直接保有ではなく、投資信託にしているので証券会社を通じて買う点に違いがあります。

現物不動産で少額投資する対象は

やはり少額であってもローン、ファンドであっても、不動産投資をする限りは現物の不動産の知識がないとできないことが分かると思います。どのような物件が対象になるのか、を分けると、
・ 中古物件、あるいは格安物件
・ 競売(けいばいあるいは、きょうばい)物件
・ 区分所有マンション、区分所有アパート
の3つに分類できます。

中古物件、格安物件は、あるところにはあります

売物件件数No.1をうたい、7万件近い物件を載せているサイトで検索すると、マンションと名のつく建物で1棟丸ごとを100万円で所有することは、日本中、どこを探してもできません。アパートならあります。マンションとアパートの差は、鉄筋コンクリートと木造という構造の違いも大きいですが、値段の差が歴然とあることを示しています。

でも、100万円以下のアパートでヒットしたのは<北海道の鉄道駅か、バス停から歩いて10分以上の物件>で2件。不動産市場にはその位しか出回っていません。しかし、もう少し値段をあげて500万円以下なら、築年数50〜60年の1階か2階建てアパートで、賃貸者が既に住んでいる即投資可能な投資物件でも、首都圏でも、県庁所在地でも多くの件数が見つかります。

全国的に生活保護を受けている人も増えていますが、こうした人たちを中心に受け入れている不動産物件もあります。こういった「中古物件、格安物件」の場合、立地の問題以外に、手を入れないと住めないかどうかを見極める必要があります。そうでないと余計なコストがかかります。

もう少し値段を上げるとローンが必要になります

100万円では資金不足でも、それを頭金にして、必要資金をローンで借りれば、アパートや、区分所有のマンションの部屋を所有することは可能です。さまざまな価格帯の不動産物件を売りに出している販売、仲介業者の間では「1000万円以下」「500万円前後」は多数の物件が出ている価格帯と言えます。ローンを組むことは、長く続く低金利の時代には適した戦略ですが、スルガ銀行で不動産投資へのズサンな融資が批判を受けたこともあり、銀行融資を受ける時には、その条件に注意が必要です。急に融資を引き上げられたら困ります。

物件探しから、客(賃借で住もうとする人)探しまで、こうした収益不動産(買った人が実際に住むのでなく、収益を得るための不動産)の販売に力を入れている不動産業者に頼むのが一般的です。

競売物件は、裁判所が扱う不動産。少し学んでから手を出しましょう

競売とは、裁判所がなんらかの法律争いの結果、一旦、国の保有(差し押さえと呼びます)になった不動産を国が売却します。裁判所は自らの利益を上乗せして売る必要がないので不動産流通よりも安く、「お宝」も少なくないと言われます。

かつては落札する場合、全額、現金でないと決済できませんでしたが、今は、融資を受けての競売も可能な制度になりました。ただし、落札の際に弁護士か、司法書士を立てなければならないなどの条件が付いています。以前は「競売のプロ」というべき不動産業者だけが落札していたのに比べれば、門は広がりましたが、ある程度、不動産売買の「目利き」になるまで学んでから手を出すのが賢明です。